子どもを守る防災手帖

2018年4月15日 Category : , 0

防災関連本のなかでも、小さな子を持つ家族のための一冊。

東日本大震災、関東・東北豪雨、熊本地震、など、全国各地で頻発するさまざまな災害が起きたときに、小さな子を持つ家族は、どのように対応したのか。被災ママたちの実体験をまとめて、なにが必要なのかをまとめたもの。体験からくるちょっとした一言、エッセイマンガなど、主に女性目線で防災について、わかりやすくまとめれている。小さな子がいるご家庭であれば、さらっと目を通すだけでもよいので、一読をおすすめしたい。

子どもを守る防災手帖




学校で教えてくれない音楽

2018年3月6日 Category : , 0

NHK朝の連続テレビ小説『あまちゃん』のオープニング音楽を作曲し、その音楽がお茶の間でもお馴染みとなり、ついには紅白出演も果たした、(あえて言うならば)前衛的音楽家の大友良英氏による音楽講義。

義務教育のなかで習う音楽というのは、極めて限定的な意味での音楽――つまりは、西洋で長年にわたり組み立てられてきた音楽理論を基礎とし、クラシック的世界でいう、それぞれの時代をつくった作曲家の作品をなぞり、ドレミファソラシドと♯♭の12音で音を規定し、それを楽譜におさめ――でしかない、ということを暴き出す。といっても、暴力的なやり方でではなく、たとえば、音楽室の壁に貼られたクラシックの作曲家、バッハやベートーベンなどの肖像画がならぶ列に、三波春夫の肖像画が無いのはなぜか、と逆説的に問うのである。この問いに笑いが漏れることが、義務教育で習う音楽が限定的な音楽であることの証左なのだ。

本書の第1章では、ちいさな子供から大人までが参加者となって、一緒に好きな音をだしてもらうというワークショップの模様がまとめられている。3分間、好きに音を出させる。好きにやってもいいといいつつ、好き勝手に音を出すことも、2分ぐらいで飽きてくる。そこで自由な音は、いったんトーンダウンする。勝手に出しつつも、なにか外からの反応やルール、リズム、ハーモニー、メロディを求めはじめる。続いて第2章は、音をだす、歌ってみるということで、テニスコーツのさやを中心とした声をだすワークショップの模様がまとめられている。音痴をシンセサイザーに見立てる、さやの発言が面白い。第3章はこれまでのワークショップを実況する形式から変わり、大阪・西成、釜ヶ崎、いわゆる、あいりん地区をフィールドとした、乱暴にいうと創造的音楽療法の活動がまとめらている。大友良英氏が、どのように考えながら、療法ともいえる音楽活動に携わるようになっていったのか、そしてどう考え方が変化してきたのか、赤裸々に、正直に、書かれているのがよい。

そして最終章は、大友良英氏が新たに音楽をつくるにあたって、考えていることが、読者に語りかけるようにまとめられている。音楽と土地、場と音楽、盆踊りと音楽、祝祭を体験する空間から、独立して鑑賞する音楽への変化などなど、音楽とはなにかを根本から考える、そんなきっかけとなる一冊となっている。

 さや でも、それは「自分で予測がつかない声」が出る、ってことじゃないですか。それは楽器として考えたら、すごいですよね。まるでシンセサイザーみたいな。

この世は、自分の知ってる世界だけじゃないって思い知ることは、子どもだけじゃなく人間にとって必要で、だから昔は神様だけじゃなく、なまはげがいたり、妖怪も妖精も、お化けだっていたんだと思います。異界から来る人、異界があるって思い知ることって大切。その意味では、僕らは妖怪的でいいのかな。

音楽は直接実用的な力なんか持たない方が絶対にいいと思ってます。そんなもんを持った時は危険なサインだとも。だからノイズが好きなわけで。音遊びの会が好きなのも、盆踊りが好きなのも、その社会的な意義なんか以前に、なんだか笑けて好きなわけで。

学校で教えてくれない音楽



ドキュメント滑落遭難

2018年2月12日 Category : , 0

遭難にまつわるドキュメンタリ本。これが、なんとも面白すぎる。他人が遭難した記録を読んで、面白すぎるという感想は、不謹慎かもしれない。しかし、ここに記された実録遭難物語と、起きてしまった事故の検証は、半端な小説よりも、スリリングで、遭難を追体験しているようで、ダントツに面白いのだ。

本書は、ドキュメント滑落遭難ということで、ちょっとした不注意から、つまずいたり転んだりして大ケガや死に直結する事故をまとめている。滑落が起きる危険因子はどこにあるのか、7つの事例を取り上げ、原因を探り、防ぐ方策を検証している。

遭難という、人の生き死にが、記されている。その記録が、事実であるということが、読者を引き込むわけだが、もうひとつ読者を引き込む要素に、著者である羽根田治の、取材をまとめて読み物として再構成する能力が、非常に高いことがあるだろう。遭難者の視点、救助者の視点、家族の視点、とひとつのドキュメントの中で視点が移動し、遭難事故が多角的に構成、展開される。すべてが終わってから紡ぎ出される物語は、ある意味で神の視点を持ち、正義と倫理ですべてを諮ってしまいかねないところを、絶妙のバランスで語りきっている。どうして遭難がおきるのか、どうしたら遭難を防ぐことができるのか、著者が遭難ドキュメントを執筆する基本スタンスはここにある。

なぜだか妙に引き込まれ、次々とエピソードを読み進めてしまう、なんとも中毒的なシリーズは、山に登らずともおすすめの一冊。

ドキュメント滑落遭難




横溝正史探偵小説選〈1〉

2018年1月17日 Category : , 0

横溝正史が、戦前に発表した作品から、単行本未収録の作品や随筆、評論を集めた一冊。

小説は、創作のみならず、翻訳ならぬ翻案、つまりは二次創作的な作品も収録している。発表時期が発表時期だけあって、さすがに古臭く、レトロな雰囲気いっぱいの作品ばかりで、大掛かりで緻密なトリックなどは無い。そういう現代的なものを、期待してはいけない。探偵小説選とはいいつつも、いわゆるエロ、グロ、ナンセンス、そしてユーモアにペーソスで、モダンな大人を感じさせる作品もある。いまとなっては、差別用語や、差別的な表現もあり、時代を感じることができて、面白い。

横溝正史探偵小説選〈1〉




サラダ教本

2017年12月26日 Category : , 0

美しいサラダレシピをまとめた一冊。

サラダの教本ということで、基本的なものから、バリエーションまで幅広く、レシピが紹介されている。サラダは、野菜とソースをただ和えたものではあるが、野菜の切りかたや、ソースのチョイス、盛りつけ方で、同じ材料を使っても、食感、味、雰囲気は大きく変わる。立ち位置としては、メインに添えられたもの、たかがサラダである。メインを張れると無駄にアレンジしたりすることなく、本来の立ち位置から離れることなく、しっかりサラダであるのだが、丁寧にしっかりと作り方の解説されているのがよい。まとめられた100項目のなかには、韓国風のもの、クスクスを用いたものなども紹介されている。

本書の魅力は、なによりも、サラダの写真が美しく、写真集のようであることだ。ページをめくるのが楽しい。しっかりとサラダを学びたい人に。

サラダ教本




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