ドキュメント滑落遭難

2018年2月12日 Category : , 0

遭難にまつわるドキュメンタリ本。これが、なんとも面白すぎる。他人が遭難した記録を読んで、面白すぎるという感想は、不謹慎かもしれない。しかし、ここに記された実録遭難物語と、起きてしまった事故の検証は、半端な小説よりも、スリリングで、遭難を追体験しているようで、ダントツに面白いのだ。

本書は、ドキュメント滑落遭難ということで、ちょっとした不注意から、つまずいたり転んだりして大ケガや死に直結する事故をまとめている。滑落が起きる危険因子はどこにあるのか、7つの事例を取り上げ、原因を探り、防ぐ方策を検証している。

遭難という、人の生き死にが、記されている。その記録が、事実であるということが、読者を引き込むわけだが、もうひとつ読者を引き込む要素に、著者である羽根田治の、取材をまとめて読み物として再構成する能力が、非常に高いことがあるだろう。遭難者の視点、救助者の視点、家族の視点、とひとつのドキュメントの中で視点が移動し、遭難事故が多角的に構成、展開される。すべてが終わってから紡ぎ出される物語は、ある意味で神の視点を持ち、正義と倫理ですべてを諮ってしまいかねないところを、絶妙のバランスで語りきっている。どうして遭難がおきるのか、どうしたら遭難を防ぐことができるのか、著者が遭難ドキュメントを執筆する基本スタンスはここにある。

なぜだか妙に引き込まれ、次々とエピソードを読み進めてしまう、なんとも中毒的なシリーズは、山に登らずともおすすめの一冊。

ドキュメント滑落遭難




横溝正史探偵小説選〈1〉

2018年1月17日 Category : , 0

横溝正史が、戦前に発表した作品から、単行本未収録の作品や随筆、評論を集めた一冊。

小説は、創作のみならず、翻訳ならぬ翻案、つまりは二次創作的な作品も収録している。発表時期が発表時期だけあって、さすがに古臭く、レトロな雰囲気いっぱいの作品ばかりで、大掛かりで緻密なトリックなどは無い。そういう現代的なものを、期待してはいけない。探偵小説選とはいいつつも、いわゆるエロ、グロ、ナンセンス、そしてユーモアにペーソスで、モダンな大人を感じさせる作品もある。いまとなっては、差別用語や、差別的な表現もあり、時代を感じることができて、面白い。

横溝正史探偵小説選〈1〉




サラダ教本

2017年12月26日 Category : , 0

美しいサラダレシピをまとめた一冊。

サラダの教本ということで、基本的なものから、バリエーションまで幅広く、レシピが紹介されている。サラダは、野菜とソースをただ和えたものではあるが、野菜の切りかたや、ソースのチョイス、盛りつけ方で、同じ材料を使っても、食感、味、雰囲気は大きく変わる。立ち位置としては、メインに添えられたもの、たかがサラダである。メインを張れると無駄にアレンジしたりすることなく、本来の立ち位置から離れることなく、しっかりサラダであるのだが、丁寧にしっかりと作り方の解説されているのがよい。まとめられた100項目のなかには、韓国風のもの、クスクスを用いたものなども紹介されている。

本書の魅力は、なによりも、サラダの写真が美しく、写真集のようであることだ。ページをめくるのが楽しい。しっかりとサラダを学びたい人に。

サラダ教本




あったかスイーツ―とっておきの60レシピ

2017年11月1日 Category : , 0

あたたかいスイーツのレシピをまとめた一冊。

あったかスイーツ、ホットスイーツと聞くと、なんとなく珍しい気もするのだが、よくよく考えると、ホットケーキであったり、クレープであったり、ちょっとまえに流行ったフォンダンショコラであったり、プリミティブには焼き芋、和風であればお汁粉/ぜんざいであったり、いろいろとあるのだ。ということに、本書をめくりながら気づいてしまう。

とはいえ、ココットでつくるフルーツグラタンやクランブル、スフレやオムレツケーキなどは、簡単で試してみたいと思うレシピばかり。秋冬に読みたくなる、そんな甘いレシピ集。

あったかスイーツ―とっておきの60レシピ




なぜか心ひかれる日本の奇妙な絶景50

2017年10月12日 Category : , 0

次の旅行のガイドとして、手にとった一冊。

日本各地の絶景が、見開き2ページ、もしくは1ページに大きく紹介されており、大きな写真の下にはちょっとした説明、キャプションがついている。写真がどれも素晴らしい。ここが日本か!?と驚くよりも、ここはどこだ!?と、その美しくも奇妙な景色に驚愕する。大自然の素晴らしい景観から、雪よけ庇などの人工的人為的な風景、飛騨古川の祭りなど、全国のあれこれがまとめられている。

こんな世界が日本にあるのか、ぜひ死ぬまでに一度は見ておきたい、と足を延ばしてみたくなること必至。写真はどれも素晴らしいのだが、キャプションがやや蛇足気味。北から南、日本列島を縦断しながら、50もの奇妙な絶景に、誰もが心奪われる。

なぜか心ひかれる日本の奇妙な絶景50




量子的跳躍 quantum leap. Powered by Blogger.